頻尿が主訴の30代男性、鍼灸のツボ治療で改善した1症例

首、肩、背中の痛み、頻尿に悩む30代男性

心因性の頻尿で悩む男性が鍼灸治療希望で来院されました。

最初はどのような症状がありましたか?

首、肩、背中の痛み、頻尿

上記の症状はどのように良くなってきましたか?

改善してきた 体全体がじょじょに良くなっていった。

同じような症状で悩んでいる患者さんへのアドバイスやメッセージがあれば教えてください

原因理由など論理的に説明してもらえるため 納得感、安心感があります。

理由がわかることで日々の自分の動作に注意ができるのも良いです。


主訴は、パニック障害を3か月前に発症して、いろいろ気になりだした。頻尿はよく考えらたかなり昔からだったとのこと。

男性、30代後半、デスクワーク。

近々旅行に行くので、それまでにトイレに行く回数を減らしたい。薬を減らしたい。

頻尿・パニック障害の中医学的診断

  • 舌:胖大舌(ボテッとしている)、歯痕舌(歯型がついている)、色:淡紅舌、薄白苔
  • 脈:沈、弦、やや遅、寸口強い

その他解剖運動学的診断

左側屈が強く、体幹は右ねじれ、股関節は左が開きやすい。

頻尿・パニック障害の問診結果

  • 夢が多く、めざめやすい、頭が重い、立ちくらみがある。腹が張ってガスが多い。動悸息切れ、胸が苦しい。
  • 手足が冷たい(ふくらはぎが冷たい)
  • 首、肩、背中、腰にコリや痛みあり。
  • 風邪をひきやすく、下痢しやすい。
  • 朝は下痢で、昼にも便意がある。
  • 尿はスッキリ感がない。
  • 過去に腰椎椎間板ヘルニアの既往歴あり。

頻尿の鍼灸治療に使用したツボ

  • 右委中
  • 大椎
  • プッシュ:肝脾腎大腸、上髎、次髎
  • 左陽陵泉・左内関
  • 右太谿
  • 関元にお灸

※プッシュ:オリジナルの治療器具、漢方薬の軟膏をつけてツボを刺激する刺さない鍼。

治療後、とくに変化はないという感想。ただ身体が軽くなったとのこと。


2日後来院

昨日は、尿の調子が悪く、トイレも多かった。

舌は少し赤みが出てきた。

治療内容は、関元が灸頭針に変更。


2日後来院

起床時、首背中が痛かった。

治療内容同じ。

旅行のため、しばらく間隔があく。


2週間後来院

旅行中に大きな問題は起きなかった。抗不安剤は飲まずに過ごせた。首背中は朝起きると辛かった。


頻尿・パニック障害の治療は合計7回

合計7回治療して、全体的にイイ感じ。電車に乗ると動悸はするが薬なしで過ごせている。

首や背中の張りはある。

という状態になりました。

メンタル系のお薬を飲まれている方の多くが、鎮痛剤や睡眠導入剤などで、背中のコリに鈍感になっている人が多い印象です。

これは、身体の影響が心に影響すると考えています。

最初の目的である、旅行に行きたいと、薬に頼らない生活ができるようになったので、治療終了。

月に一度などで、継続的に身体のメンテンス中です。

頻尿パニック障害のセルフケアのアドバイス

頻尿の治療をご自身でツボ押しでおこなうなら、足首(くるぶし)周辺のツボにお灸がいいと伝える。

お灸がなければ美顔ローラーで、くるぶし周辺をコロコロしてもらったり、会陰部にあるツボをコロコロしたりすると、過活動膀胱に効果的だと説明。

鍼治療がなぜ効果的に頻尿やパニック障害に効くのかメカニズム説明

中医学の頻尿に関するメカニズム

中医学の頻尿に関するメカニズムは、何パターンかに分類できます。※中医学では頻尿は尿頻といいます。

【弁証分型]

1.膀胱湿熱の尿頻

頻尿・尿意促迫・排尿痛・尿道の灼熱感・尿が混濁して濃く少量・口乾・口が粘る・下腹部が張る・便秘・発熱・悪寒・舌質が紅・舌苔が黄賦・脈が滑数。

 2.腎陰虚の尿頻

頻尿・尿が濃く少量・めまい感・耳鳴・咽や口の乾燥感・頬部の紅潮・口唇が赤い・焦躁感・不眠・腰や膝がだるく無力・身体の熱感・五心煩熱・盗汗・便が硬い・舌質が紅・ 舌苔が少ない・脈が細数。

3.腎気不固の尿頻

頻尿・尿がうすく多い・遺尿や尿失禁・顔色が白い・頭のふらつき・耳鳴・息ぎれ・呼吸困難・腰や膝がだるく無力・四肢が温まらない・舌質が淡で胖・舌苔が薄白・脈が沈細で弱。

4.肺脾気虚の尿頻

頻尿・尿がうすく多い・遺尿や尿失禁・口唇が淡・咳嗽・つばやよだれが多い・頭のふらつき・息ぎれ・寒がる・元気がない・食欲不振・泥状便・舌質が淡・舌苔が白・脈が虚弱。

〔鑑別分析)

(1) 膀胱湿熱と腎陰虚の尿頻の区別

いずれも頻尿で尿が強く,下焦の病変に属するが,実証と虚証の違いがある。

膀胱温熱の尿頻は、湿熱が下注して膀胱の気化が失調したために発生する。 特徴は,頻尿に尿意促迫・排尿痛・尿の灼熱感・下腹部不快感・尿の混濁などをともなうことである。

治法は清利湿熱で,八正散を用いる。

腎陰虚の尿類は,腎陰が不足して摂納ができなくなり、さらに内熱が生じて膀胱の気化が失調したために発生する。 特徴は、目まい・耳鳴・体の熱感・焦燥感・盗汗・尿が淡黄色などを呈することである。

治法は滋陰降火で,知柏地黄丸の加減を用いる。

(2) 腎気不固と肺脾気虚の尿頻

いずれも虚証で、うすく多量の尿がみられる。 腎気不固の尿頻は,陽虚の体質あるいは慢性病で陽気が消耗したために,腎が封蔵できなくなり膀胱が水分排出を制約できないために発生する。

特徴は,高齢の腎虚・陽気が充足しない小児でよくみられ,頭のふらつき・耳鳴・腰や 膝がだるく無力・四肢が温まらないなどの症候を呈すれることである。

治法は温補腎陽で,右帰丸を用いる。

肺脾気虚の尿類は、生冷物の過食・過労・寒邪の侵襲などによって陽気が消耗し,脾肺の気が虚したために下焦を制約できず、膀胱が水の排出を約束できなくなって発生する。

特徴は,中年で過労気味のひとでよく見られ,咳嗽・つばやよだれが多い・食欲不振・ 泥状便などを呈し,過労によって頻尿が生じることである。

治法は温肺健脾で,温肺湯合補中益気湯の加減を用いる。

(3) その他の病証

このほか,肝気鬱結による尿頻もあり、情志の失調によって肝気が鬱結し,気滞が膀胱に及んで発生する。

特徴は,頻尿に残尿感をともない、胸脇部が張る下腹部が張って痛む・めまい・頭痛・口が苦い・いらいら・怒りっぽいなどの症候を呈し,情諸の変動とともに増悪することである。

治法は流肝解鬱で,逍遙散の加減を用いる。

 (4) 小便頻数について

小便類数には虚実の違いがある。

虚証は吸症が多く,尿はうすく量が多い。

実証は湿熱が多く、排尿痛・尿意促迫・残尿感などを呈する。

小便頻数は肺・脾・腎の機能失調に起因し、一臓あるいは複数の臓が失調することによ って発症する。肝の疏泄失調も関与する。

文献

《傷寒論・弁陽明病脈証並治>

太陽病,もしくは吐しもしくは下しもしくは汗を発してのち、微煩し、小便数,大便よ りて鞭なるは、小承気湯を与えてこれを和すれば癒ゆ。

<張氏医通・小便不禁>

これもって老年の人に頻数なるもの多きは,これ膀胱の血少なく、陽火は偏旺するなり,治法は腎水真陰を滋すべく、膀胱の津液を補うを主として,収渋の剤をもって佐とし、六味丸加麦門・五味の類,温薬を用うるべからざるなり。

〈血証論・便閉>

また小便数にして不禁,大便反って閉するもの、名づけて脾約となす。脾津は下泄し, もって潤腸することなきが故なりといい仲景は脾約丸を用いてこれを治す。丹渓は肺燥 を清すべしといい、肺清なればすなわち小水は利ありて、脾は撤激を得る,清燥救肺湯を 用うべくこれを治す。

中医診断と治療より

西洋医学的なメカニズム

心因性頻尿とよばれるものになるでしょう。

気になると尿意に襲われる。集中していたり、寝ていたりするときは感じません。

下腹部の圧迫や胃腸の症状をともなうこともあります。

心因性頻尿の定義

  • 心理的な緊張や不安によっておこる頻尿
  • 検査で膀胱などに頻尿の原因となる病気が見つかりません
  • 成人では女性に多い
  • 日常の中で何度もトイレに行きたくなる
  • 電車などすぐにトイレにいけない場面では、逆に尿意が激しくなる

セルフケアでの夜間頻尿対策

使うツボは会陰穴です。

NHK2018年9月24日に放送された「東洋医学ホントのチカラ」で、東京都健康長寿医療センター研究所の堀田晴美先生が発表していたので、ご覧になった人も多いのでは?

  • 会陰穴
  • 女性は肛門と膣の間
  • 男性は肛門と睾丸の間
  • ローラーで1秒に1センチ程度のゆっくりした速度で、軽く皮膚に触れるくらいでさする
  • 3cmを往復10回程度(約1分)
  • 夜間頻尿は寝る前、昼間頻尿は朝や昼間。タイミングはいつでもOK。

※番組では、特殊な合成ゴムを使用したローラー鍼でした。ごく軽い力で指でさすってもOK

この方法は、国際誌「プロスワン」という専門誌でも紹介されたようです。

会陰部の刺激をすると、過剰な膀胱の排尿収縮が抑えられ、国内で複数の賞を受賞しました。

夜間に7回もトイレに起きていたのが、やり始めて夜間のトイレが1回に激減。

そのほかの体験者も夜間のトイレの回数が減り、軒並み効果を実感したようでした

男女がその効果を体験

専用のローラー鍼を使って、夜間頻尿が改善された男女が紹介されていました。

過活動膀胱の人に使うツボ

会陰穴図

会陰というツボがあります。

会陰穴の効能

頻尿ツボで一般の人ができるものなら、ここを美顔ローラーのようなもので刺激するか、束ねた爪楊枝でチクチク刺激しましょう。

会陰穴というツボの効能=頻尿のツボ・過活動膀胱のツボとおぼえておくとよいでしょう。

専門的にいうと、

  • 任督脉街脉交会穴
  • 東洋医学でいう腎の力を強くして、経絡の流れを調整します。
  • 余計な熱や湿邪を取り除く

その他だと、自分でケアしやすいツボは足首(内くるぶし)がオススメ。

足にある痩せるツボ3

太谿というツボがあり、東洋医学でいう腎を強くしてくれます。

お灸ができるとベストです。

ちなみに頻尿や過活動膀胱で使うようなツボはED(インポテンツ)にも有効です。

過活動膀胱や頻尿も、ED(インポテンツ)も東洋医学だと「腎」に関係するので、腎を強くすると効果的です。

足少陰腎経

足少陰腎経

パニック障害・頻尿での針治療の値段

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針治療の副作用は?

針治療で1番の副作用としては、ツボに鍼を刺すこと。

注射のイメージがあるなら、驚くほど痛くありません。だけど、異物である金属が体内に入るのはたしかです。

他には、

針治療のズーンとした感じ

これは、中医学では、得気(とっき)といって、効果が高いと言っている人もいます。

得気がなくてもよくなることも多々あります。

針治療のズーンとして感じが苦手という人もいるし、気持ちがいいという人もいます。

針治療副作用として、しびれた感じを訴える

先程の得気をしびれる感じと表現する人もいます。だけど、数日たってもしびれる感じがあるのは、神経を傷つけた可能性もあります。

鍼治療の跡が残る

副作用といえば、副作用ですね。虫刺されが残りやすい体質の人ほど、赤く跡が残る場合があります。一般的には数日すれば消えますが体質によってはしばらく残る場合もあります。

鍼灸治療の針を使い回している

一部の古い鍼灸院だと、使い回しをしている先生がいます。滅菌しているとはいえ、時代錯誤で、私もこれには抵抗を感じます。

使い回しかどうかの判断は、自分用の鍼として初回に買わされる場合、使い回しの可能性があります。

 針治療後だるい

刺激量が多かったり、体力がない人が針治療をはじめて受けたときになりやすいです。

体内で一気に気が回ることでけだるい感じがすることもあります。(強制的にめぐりがよくなったから、運動したことと同じになる)

ただし、オーバードーゼ(刺激量過多)で、だるくなっている場合もあります。

頻尿の鍼灸治療はご自身のツボ刺激でもかなり変化があらわれます

あなたが遠方でなければ、一度当院でご相談されるとよいでしょう。ただ、遠方で近くに鍼灸院もなければ、会陰穴へのセルフ針治療でかなり改善していくと思います。ぜひお試しください。

 

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