野球肩|ストレッチ、筋トレ、チェック方法から痛みの治し方

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野球肩

球肩という病名はありません。

野球肩とは、野球の投球動作(とくにオーバースロー)によって肩が痛くなり、いろいろな原因によっておこります。

  • 使いすぎ
  • 関節(かんせつ)
  • 腱(けん)
  • 筋肉(きんにく)

野球肩の場合、痛む部位によって肩の前が痛んだり、肩のうしろが痛んだりします。

野球肩だけじゃなく、水泳肩(バタフライ)、バレーボール(アタック)、テニス(サーブ)など、オーバーヘッドスローイングが必要な競技でなりやすいです。

今回は、野球肩とは? という疑問に答えるために、症状や原因、痛みのチェックリスト。治しかたから再発予防のリハビリの方法までお伝えします。

この記事を読めば、治療院に通院する必要がなくなるレベルで書いてます。

目次

野球肩(投球障害肩)の症状

野球肩(投球障害肩)にはどういう症状があるのでしょうか?

  • 100%の力で投げるのがこわい
  • 腕をあげるのがこわい
  • レントゲンでは異常なし(筋肉はレントゲンには映りません)

野球などの投球動作(オーバーヘッドスローイング)をおこなうスポーツをしていて、上記のような症状や違和感があれば野球肩の可能性があります。

あと、投げた瞬間に「バキッ」と音がするのは、肩の亜脱臼(あだっきゅう)や、関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)などもありえます。

野球肩になる原因

野球肩の原因は、多くの場合「筋肉」が関係しています。

肩関節まわりには小さい筋肉がたくさんあります。ふだんならスムーズに伸び縮みして、肩関節を自由に動かしてボールを投げることができます。

しかし、何かの原因で肩に負担がかかってくると、筋肉が疲労して痛み(炎症)をおこします。

その原因は、

  • ピッチングフォームの崩れ
  • 使いすぎ

どちらかになります。※実際には両方の場合が多い印象です。

ピッチングフォームの崩れ

いわゆる「手投げ」状態。全身をつかって「釣りざお」のように、しなやかな腕のふりができなくなると、ヒジや肩に負担が増えます。

使いすぎの場合

  • 子供なら成長期なのに投げすぎ
  • 大人ならウォーミングアップ不足

ボールは腕で投げるわけではなく、腕・背中・腰・足と全身で投げます。下半身で作られたパワーを腕に集めてボールを投げこみます。

足腰に疲労が貯まったり、筋力が低下したりすると、結果的に上半身だけで投げてしまいます。

筋肉は、痛み(疲労)があったり、緊張したりするとスムーズに伸び縮みしません。伸び縮みしない筋肉のままだと、血管や神経も圧迫されて、痛みの悪化や、ケガのリスクも増えます。

痛みがあるのに無理をして投げると、

  • 下半身がうまくつかえない
  • 上半身だけで力んで投げる
  • ボールにスピードがない(球が軽い)
  • コントロールも悪くなる

野球肩悪循環

悪循環となり、肩周りの小さな筋肉を痛め続けるので野球肩になってしまいます。

野球肩になりやすい人

成長期(小学生~高校1年くらい)

少年野球

1番大人の指導が重要な時期です。

むちゃくちゃな練習メニューで野球肩になってしまいます

骨の成長と筋肉の発達がアンバランスな時期です。短時間で投球練習を終わらせたり、球数制限をしたり、練習メニューを調整する必要があります。

子供は大人がいうことをマジメに実行します。

※昔、小学校4年の男子が「肩が痛い」と来院しました。話を聞くと、300球の投げこみを指導されたとのこと。

この指導した大人はコーチや監督ではなく、野球経験のあるチームメイトの保護者でした。ありえない話です。根性論でスポーツは絶対うまくなりません。

成長期終了くらい(高校2年くらいから)

高校野球

筋力も大人と同じようになり、成長も止まる時期です。

この時期は、オーバーユース(使いすぎ)とアイシングなどのケア不足が野球肩になってしまいます。

部活動なども本格的になり、スポーツ中心の生活になっている場合もあります。筋肉は十分ありますが、ケアの方法を知らないので「疲れを貯めたまま練習する」このくり返しによって、肩を痛めます。

スポーツの技術だけでなく、コンディショニングの方法を学んでほしい時期でもあります。

社会人

社会人野球

ウォーミングアップやクールダウンが中途半端な人は、野球肩になってしまいます。

大人になると、趣味として野球などをされるかたが多いです。学生時代に比べると圧倒的に運動量が減ります。さらに草野球だと、グランドの時間も限られているので、ウォーミングアップやクールダウンが適当になります。

野球肩はもちろん、足の肉離れやギックリ腰などのケガも増えます。

また、ふだんは仕事でデスクワークなど、筋肉が硬くなる環境にいることが増えます。そのままだと足腰をつかったピッチングができないため野球肩になります。

試合前に、体操や、軽く息が上がる程度の運動をしっかりおこないましょう。

試合後は、打ち上げかもしれませんが、肩だけでもアイシングするなどの工夫が必要です。

肩の運動学

肩の動きをイラストで説明します。覚えておくと説明の理解が深まります。

肩を前後に動かす(屈曲・伸展)

肩を前後に動かす(屈曲・伸展)

専門的には、

  • 肩甲帯の屈曲、伸展

筋肉

  • 屈曲:前鋸筋(ぜんきょきん)・小胸筋(しょうきょうきん)
  • 伸展:菱形筋(りょうけいきん)・肩甲挙筋(けんこうきょきん)・僧帽筋(そうぼうきん)

肩をあげる、下げる(挙上・下制)

肩をあげる、下げる(挙上・下制)

専門的には、

  • 肩甲帯の挙上、引き下げ(下制)

筋肉

  • 挙上:僧帽筋上部(そうぼうきんじょうぶ)・菱形筋・肩甲挙筋
  • 下制:僧帽筋下部・小胸筋・鎖骨下筋(さこつかきん)

ヒジを曲げて腕をとじる、開く(内旋・外旋)

ヒジを曲げて腕をとじる、開く(内旋・外旋)
※イラストは腕が伸びたまま

専門的には、

  • 肩の外旋、内旋

筋肉

  • 内旋:肩甲下筋(けんこうかきん)・大胸筋(だいきょうきん)・広背筋(こうはいきん)・大円筋(だいえんきん)
  • 外旋:棘下筋(きょっかきん)・小円筋(しょうえんきん)・三角筋後部(さんかくきんこうぶ)

横にあげた腕を下げる。さらに身体の内側に動かす(内転・外転)

横にあげた腕を下げる。さらに身体の内側に動かす(内転・外転)

腕を横に開く(横からバンザイ)

専門的には、

  • 肩の内転、外転

筋肉

  • 内転:広背筋・大円筋・大胸筋(胸腹部)
  • 外転:三角筋(中部線維)・棘上筋・上腕二頭筋長頭(じょうわんにとうきんちょうとう)

脇に下ろした腕をまっすぐ前方にあげる、腕をまっすぐうしろに引く(前方挙上・後方挙上)

前方挙上・後方挙上

専門的には、

  • 肩の屈曲、伸展(前方挙上、後方挙上)

筋肉

  • 前方挙上:三角筋(前・中部)・大胸筋(鎖骨部)・烏口腕筋
  • 後方挙上:広背筋・三角筋(後部)・大円筋

画像引用:筋肉のしくみ・はたらき事典 東京大学大学院教授:石井直方監修

痛む場所の違い

肩には、棘上筋(きょくじょうきん)・棘下筋(きょっかきん)・小円筋(しょうえんきん)・肩甲下筋(けんこうかきん)とよばれる4つの投球動作に必要な筋肉があります。

この4つの筋肉は、「回旋筋腱板:かいせんきんけんばん(ローテーターカフ)」とよび、腕と肩をつなぎとめる働きがあり大変重要です。

ひとつの筋肉、または複数が痛んでしまうと投球に支障をきたします。

棘上筋(きょくじょうきん)

棘上筋

棘上筋トリガーポイント

棘上筋に異常があると、肩の横やうしろに痛みが出ます。

棘下筋(きょっかきん)

棘下筋

棘下筋トリガーポイント

棘下筋に異常が出ると、肩の横やうしろ、腕(親指ライン)に痛みが出ます。

小円筋(しょうえんきん)

小円筋

小円筋トリガーポイント

小円筋に異常が出ると、肩のうしろや腕の横に痛みが出ます。

肩甲下筋(けんこうかきん)

肩甲下筋

肩甲下筋トリガーポイント

肩甲下筋に異常が出ると、肩のうしろや二の腕(上腕三頭筋)に痛みが出ます。

※イラストはトリガーポイントといって、損傷した筋肉が痛むのはもちろん、赤で示された離れた場所も痛む現象です。

紹介した4つの筋肉は、テスト法によって、判断することが可能なので次にお伝えします。

棘上筋(きょくじょうきん)の筋テスト

棘上筋

棘上筋、筋テストの方法

  • 壁の横に立ちます
  • 手の平を正面にむけたまま、ややななめ前に腕を動かす(バンザイ)していく

動画はわかりやすくするために壁の横に立っていません。腕の動かす方向に壁がくるようにしましょう。

理想は、誰かに手伝ってもらい、あげる手に抵抗を加えてもらう。

後ほど紹介する、チューブトレーニングができるかどうかも筋テストに応用できます。

棘上筋チューブトレーニングをみる

働きとして、肩関節の外転に関係します。

棘上筋働き

バンザイ動作で痛みがでる場合、棘上筋に異常がでている可能性ありです。

棘上筋の起始・停止/棘上筋の支配神経
  • 肩甲棘の棘上窩内側2/3と肩甲棘上面から上腕骨大結節上面と肩甲上腕関節の関節包に付着
  • 肩甲上神経(C5〜C6)

画像引用:wikipedia

棘下筋(きょくかきん)の筋テスト

棘下筋

棘下筋、筋テストの方法

  • 壁の横に立ちます
  • 手の甲を正面にむけたまま、ややななめ前に腕を動かす(バンザイ)していく

動画はわかりやすくするために壁の横に立っていません。腕の動かす方向に壁がくるようにしましょう。

腕を動かすとき、手のひらを外ねじり(外旋)しながらでも可。

理想は、誰かに手伝ってもらい、あげる手に抵抗を加えてもらう。

後ほど紹介する、チューブトレーニングができるかどうかも筋テストに応用できます。

棘下筋のチューブトレーニングをみる

外旋の動きに関係します。より正確にチェックするにはペアでおこないましょう。

棘下筋の起始・停止
  • 肩甲棘の棘下窩内側2/3と棘下筋膜から上腕骨大結節中央部と肩甲上腕関節の関節包に付着

小円筋(しょうえんきん)の筋テスト

小円筋

画像引用:クリニカルマッサージP140

  • 壁の横に立つ
  • 脇をとじて、ヒジを90度曲げて、手の甲で壁をおす

漫才でいう「ツッコミ」動作です。脇が開かないように注意します。

棘下筋と同じで外旋の動きに関係します。

動画はわかりやすくするために壁の横に立っていません。腕の動かす方向に壁がくるようにしましょう。

後ほど紹介する、チューブトレーニングができるかどうかも筋テストに応用できます。

小円筋のチューブトレーニングをみる

小円筋の起始・停止
  • 肩甲骨の外側縁2/3から上腕骨大結節下方と上腕骨

肩甲下筋(けんこうかきん)の筋テスト

肩甲下筋
画像引用:クリニカルマッサージP142

  • 壁に背をむけて立つ
  • 手のひらで壁をおして身体をおこす

壁と足元の間は30cmくらいあけましょう。

肩甲下筋は、内旋(腕を内側にねじる)に関係します。

動画はわかりやすくするために壁の横に立っていません。腕の動かす方向に壁がくるようにしましょう。

後ほど紹介する、チューブトレーニングができるかどうかも筋テストに応用できます。

肩甲下筋のチューブトレーニングをみる

肩甲下筋の起始・停止
  • 肩甲骨の肩甲下窩と腹外側縁、腹側を覆う腱膜から上腕骨小結節と肩甲上腕関節関節包の上面

4つの筋肉のチェックは、左右両方やりましょう。最終的な判断は、MRIになります。※筋肉はレントゲンに映りません。

筋肉チェックをして痛みがあった場合、インピンジメント症候群か回旋筋腱板損傷かもしれません。

インピンジメント症候群

インピンジメント症候群テスト法
画像引用:投球障害肩はこう診てこう治せ P21

インピンジメント症候群 引用

画像引用:順天堂大医院

インピンジメントとは、「衝突」や「はさまる」という意味がある。

インピンジメント症候群は、腱板※や滑液包(かつえきほう)、筋肉が肩関節の動きによって、肩にあるトンネル(烏口肩峰アーチ)の中で「衝突」や「はさまる」ことで痛みがでます。

  • ※腱板とは、肩関節を安定させる筋肉や腱の集合体です。棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋が肩に集合した部位。
  • ※滑液包とは、液体で満たされた袋で、平べったい形をしている。骨と靭帯や筋肉などによる摩擦を予防してくれている。

肩を持ちあげようとすると強い痛みがでます。(インピンジメント徴候)

症状 烏口肩峰アーチと腱板や滑液包が肩の外転や外旋運動により、衝突することで痛む
治療 まずは肩の安静。湿布やアイシングで痛みを取る。痛みが落ち着けばリハビリで手にアイロンなどを持って肩を動かす運動療法

回旋腱板損傷(かいせんきんけんばんそんしょう)

ローテーターカフ 引用
画像引用:日本整形外科学会

4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)が炎症や損傷をおこす。

1番損傷しやすいのが、棘上筋の腱です。なぜなら、肩にあるトンネル(烏口肩峰アーチ)の中を通って、腕の骨(上腕骨)についています。

付着部分がアキレス腱のようにぶ厚い組織なので、血管が少なく、栄養など流れが悪いところです。投球動作などによって肩をこく使すると、圧迫や摩擦(まさつ)によって断裂や不全断裂をおこします。

※大人の場合、五十肩の原因にもなります。

症状 肩の腫れ、痛み、バンザイできない、はばたくような動きができない
治療 完全断裂は手術。その他は固定して安静。痛みが落ち着けばリハビリで筋トレ

断裂や不全断裂をおこしていない場合、インピンジメント症候群が考えられます。

ルーズショルダー

動揺肩(どうようかた)や、動揺性肩関節症(どうようせいかたかんせつしょう)とよばれ、肩関節が不安定で普通の人と比べると可動範囲が広い状態です。多くの場合、生まれつき(先天性)です。

ルーズショルダーの人が投げすぎによって肩を酷使すると、痛みがでます。

少年野球(10代前半)で多い野球肩が、次の紹介するリトルリーガーズショルダーです。

症状 肩を使ったときだけ痛む。不安定感、脱力感、けんたい感がするときあり。ボールを投げたとき肩が抜ける感じがする。
治療 不安定感解消のため、回旋筋を積極的に強化する。練習後はアイシング。フォームの改善が必要な場合もある。

上腕骨骨端線離開(リトルリーガーズショルダー)

上腕骨骨端線離開(リトルリーガーズショルダー) 引用

画像引用:札幌スポーツクリニック

オスグッド病って聞いたことありますか?

成長期にヒザの下が痛くなる障害です。上腕骨骨端線離開(じょうわんこつこったんせんりかい)は、オスグッドと同じように成長期におこる肩の障害です。

上腕骨(肩につながる骨)の骨頭(こっとう)には、成長軟骨があります。

投げすぎによって、この成長軟骨が離開(分離)している状態です。

症状 上腕骨骨頭の成長軟骨が離開して肩に痛みが生じる
治療 痛みのあるときはアイシングや湿布。2~3ヶ月は投球禁止。骨端線はレントゲンに映るので定期的に骨の状態を確認しておく。フォームの改善が必要な場合もある。

関連記事

成長痛は膝かかとだけ?対処法と幼児と中高生だと違う特徴とは

肩甲上神経損傷(けんこうじょうしんけいそんしょう)

棘下筋や棘上筋を支配(コントロール)するのが肩甲上神経です。

神経を圧迫すると、筋肉が痩せてきます。(肩甲上神経の場合、棘下筋や棘上筋)

筋肉が痩せてくるので、腕をあげたり、外旋したりするときに力が入りづらくなります。

痛みとして、肩のうしろの外側にでてきます。

症状 神経の圧迫により、筋肉が痩せてくる。肩を動かす動作がやりづらくなる。痛みが出る場合、肩甲骨の外側に出やすい。原因がガングリオンの場合あり。
治療 ガングリオンの場合、病院なら注射針でつぶす場合あり。基本は安静にして、筋力改善のリハビリをおこなう。ステロイド注射の場合もあり。

関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)

関節唇損傷

使いすぎや肩の打撲などによって、関節の中にある、関節唇※が損傷してしまう。

一度はがれると自然には治らない。

※関節唇とは、肩甲骨にあり、腕の骨とつながる部分にある線維性の組織。丸く骨の部分についています。肩関節がぶれないように支えている。

症状 投げたときに、肩の痛み、抜ける感じ、ひっかかり感あり。はがれる場所によって不安定感が違います。MRIやCTで検査します。
治療 安静。軽症なら1~2周間ノースロー。痛みが強い場合、湿布や注射。筋力トレーニングは必要。重症の場合、手術が必要。

上腕二頭筋長頭腱炎(じょうわんにとうきんちょうとうえん)

上腕二頭筋

力こぶをつくる筋肉が上腕二頭筋です。二頭のうちの長頭の腱が炎症をおこします。

症状 炎症あり:投球動作で痛み。夜間痛。
断裂したとき:肩からうでへの痛み。ヒジ前面の腫れや皮下出血
治療 安静にして、湿布やアイシング。

野球肩の治しかた

1.まずは自己判断せず、違和感があれば必ず整形外科(できればMRIがある病院)を受診してください。

整骨院や接骨院、鍼灸院、整体院、カイロプラティックではダメです。

理由は、

  • レントゲン・MRIは病院でしか確認できない。
  • 柔道整復師(接骨院・整骨院)、鍼灸師(鍼灸院)は国家資格だが、診断権がない。
  • 整体院・カイロプラティックは無資格なので論外。

2.安静。

野球肩の場合、使いすぎが大きな原因のひとつです。症状によっては、半年くらいノースローの期間が必要かもしれません。もし、君の夢が「プロ野球選手」なら休む勇気をもってほしい。

3.野球肩の治す基本はアイシングです。練習中や練習後に痛みがあれば肩を冷やす習慣をつけましょう。

症状によっては、手術をすすめられるかもしれません。しかし、疑問点や不安があるときは、セカンドオピニオン(別の病院で診察)で他の医師の説明を聞くとよいでしょう。

アイシングについて

アイシングにはふたつの意味があります。

  • 応急処置
  • 疲労回復

使用する道具は、

  • コールドスプレー
  • 氷のう(アイスバック)
  • 保冷剤

肩の場合、打撲をしたときなどが応急処置になります。コールドスプレーや氷のうが、つかいやすいでしょう。

一般的にケガをしたときにおこなうアイシングのことをRICE(ライス)処理とよび、

  • R:レスト(安静)
  • I:アイシング(冷却)
  • C:コンプレッション(圧迫)
  • E:エレベーション(挙上)

をおこないます。

ライス処理

画像引用:ザムスト

肩の場合、E(挙上)は心臓より高くするので座った状態などになります。

C(圧迫)は氷のうの種類によっては、圧迫できるものがありますが、なければ包帯などで固定しましょう。

疲労回復の場合、軽いストレッチをして、10~15分程度アイシングをおこないます。

アイシングによる疲労回復効果を得られる手順は、

  1. 10~15分程度のアイシング
  2. 血管が一時的にちぢむ
  3. しばらくするとリバウンド効果で血管が広がる
  4. 血液の流れが勢いよくなる。疲労物質が流れやすくなる

テーピング

紹介するテーピングは、難しい貼りかたではありませんが、ひとりで貼るのは難しいでしょう。

痛みがあるときに、テーピングを貼ってまでのピッチングはおすすめしません。症状が悪化するおそれがあるので、原則的に痛みがあるときは投げないこと。

フォロースルーのときに肩が痛む場合

音声あり

原則として、肩が痛むときは、テーピングしてまで投げないこと。

音声あり

先ほど紹介したテーピングより、簡単に貼れるところがポイントです。

ストレッチ

ケガの予防にはストレッチなどで肩周辺のじゅうなん性が必要です。

ストレッチをおこなうときに守ってほしいことが3つありあす。

  1. 呼吸は止めない
  2. 反動をつけておこなわない
  3. 痛くない程度に伸ばす
  4. 横向き寝でおこなう場合、枕を用意する

プログラム

  • 30秒3セット以上
  • 練習後のケアとしておこなう※

※ストレッチはやりすぎると逆に可動域が少なくなる場合があります。

ストレッチは慣れてくれば、立った状態でもできるのでアレンジしてください。

肩のうしろ側のストレッチ

ヒジの位置を肩のライン、顔のラインに変えることで肩の伸びる場所が変わってきます。角度を気にしながらやってみましょう。

肩外旋筋のストレッチ

ヒジを90度曲げた状態から、手のひらをベッドに近づけます。内旋方向に動かすことで、外旋のはたらきをする筋肉をストレッチできます。

じゅうなん性の評価

  • 手のひらがつく:やわらかい
  • 指先がつく:ふつう
  • 指先がつかない:硬い

肩外旋筋のストレッチ2

手の甲を腰にあてて、腕を内旋(内ねじり)していきます。

※動画は、わかりやすいように上半身をねじっています。実際はねじらないように注意してください。

肩内旋筋のストレッチ

わきを閉じて、壁に手を当てて、そのまま体をねじる。

ストレッチしていない側の手でヒジが動かないように固定すると筋肉をしっかりストレッチできます。

再発予防のための投げかた

投球フォーム

第1相:ワインドアップ期 グラブの中にボールを入れて、腕を持ち上げる。ワインドアップポジションで痛む場合、投球禁止。
第2相:アーリーコッキング期 肩の前に大きな力が働く
フォームの悪さ(腰の開きが早い・腕を後ろに引きすぎる)が野球肩の原因のひとつになる。
第2相:レイトコッキング期 胸を大きく張る(肩の最大外旋)ときで、投げすぎやフォームの悪さで、肩の前の不安定感・関節唇損傷や腱板損傷になりやすい。
第3相:アクセラレーション期 胸を大きく張ってボールをリリースするまで。
胸を大きく張る(最大外旋)ときに、ヒジが下がっていると、肩関節にアソビができる。アソビがあると、インピンジメント症候群・腱板損傷・関節唇損傷のリスクがあり
第4相:フォロースルー期 ボールをリリースして、腕がふりおらされるまで。
肩が投げ終えたあと、引っ張られるため、関節包、腱板、腕の筋肉に負担がかかる。腱板損傷や関節唇損傷・肩の不安定感のリスクあり

第1相:ワインドアップ期

  • 軸足の膝を曲げていないか
  • 体の軸が後ろに倒れていないか

第2相:アーリーコッキング期

  • ステップしている足と膝は投球方向にむいているか
  • 両肩を結ぶラインが骨盤に対して、開いていないか

第2相:レイトコッキング期

  • ヒジは両肩を結ぶラインより上にあるか
  • ストライドの幅は広すぎたり狭すぎたりしていないか※

※目安(身長×0.85)

第3相:アクセラレーション期

  • ゼロポジションの位置で外旋位をキープできているか※
  • グラブの引き寄せはできているか

※ゼロポジションとは、

ゼロポジション

肩甲骨の肩甲棘と上腕骨が平行になった状態。ゼロポジションができていると、

  • 肩の外旋可動域がUP
  • 回旋筋腱板のバランスがよくなる

第4相:フォロースルー期

ふみこんだ足の上まで上半身の中心点が移動できているか
投げ終えたの前腕(ヒジから下)は回内しているか※

※回内(変化球:シュートを投げた感じ)

回内

野球肩のリハビリ

ピッチングフォームは全身(指先・ヒジ・肩・背中・腰・体幹・股関節・ヒザ・足)をつかった一連の流れによっておこないます。

障害がでているのは肩かもしれませんが、その他の部位の異常によって肩に障害がでている場合がよくあります。そのため、リハビリは肩だけでおこなうのではなく、全身の評価をしながらおこなうことが重要です。

体幹のトレーニング

目的

体幹の強化。ピッチングフォームで軸をしっかりつくる。

音声あり

下半身のトレーニング

目的

足腰や体幹の強化。

方法

足元に専用のクッションか、不安定なやわらかいマットの上に片足で立つ。その状態でボールキャッチなどをおこない体幹がブレないようにする。

肩関節の回旋腱板(ローテーターカフ)のトレーニング

目的

回旋腱板(ローテーターカフ)とよばれる棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋を鍛える。ゴムチューブやゴムバンドを使用する。

痛みがあるときは、筋肉が痛んでいるので無理はしないこと。筋テストとしても応用できる。

棘上筋のトレーニング

  • 足を肩幅程度に広げる
  • チューブの長さはヒザの位置に調整する。
  • チューブのはしっこを手で持ち、反対側の足で踏む
  • 体はまっすぐ正面にして、ヒジや手首を曲げないように30度の角度まであげる
  • 3秒かけてあげ、3秒かけておろす
  • 30回
  • 1回3セット

棘下筋のトレーニング

※実際はチューブを柱などに固定しておこなうこと

  • チューブを柱などに固定する(地面と水平になるように固定する)
  • ヒジを90度に曲げた状態でチューブを持つ。
  • 柱からある程度離れる(チューブが伸びる程度の場所)
  • 正面を向いて立つ
  • 手首が曲がらないように注意
  • 90度の角度まで開く
  • 3秒かけてあげ、3秒かけておろす
  • 30回
  • 1回3セット

小円筋のトレーニング

  • 机を用意する(胸より下くらいの高さ)
  • ヒジを90度曲げて固定する
  • 手首が曲がらないようにして、90度ヒジを立てていく
  • 3秒かけてあげ、3秒かけておろす
  • 30回
  • 1回3セット

肩甲下筋のトレーニング

実際はチューブを柱などに固定する。動画の場合右側

動画の場合、腕が開きすぎています。実際は、腕が正面から内側90度までの範囲

  • 柱にチューブを固定する(水平になるように、動画なら右側)
  • ヒジを90度に曲げた状態でチューブを持つ。
  • 柱からある程度離れる(チューブが伸びる程度の場所)
  • 正面を向いて立つ
  • 手首が曲がらないように注意
  • 腕が正面を向いている状態から、90度の角度まで腕を閉じる
  • 3秒かけてあげ、3秒かけておろす
  • 30回
  • 1回3セット

ゴムの硬さの目安

チューブトレーニングテンション目安

セラバンド・セラチューブ

中学生

  • -2:タン
  • -1:イエロー

高校生・大学生・一般・実業団・プロ

  • -1:イエロー
  • 0:レッド

画像引用:FZONE SPORTS

まとめ

野球肩は多くの場合、使いすぎが1番の原因です。少しでも異常を感じたらコーチなどに相談して安静にする必要があります。

テーピングを貼って、ごかましならおこなうと。将来野球ができなくなるかもしれません。安静にして痛みが落ち着けば回旋筋腱板のトレーニング。

少しずつ筋力を回復させながら、ピッチングフォームも見直してみましょう。

小学校高学年から中学生くらいの男子に多い、成長期の障害「オスグッド病」ヒザが痛み、曲げ伸ばしが困難になります。

治しかたから予防法まで、すべてまとめました。

オスグッド|治し方から予防まで


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画像引用:wikipedia
画像引用:順天堂大医院
画像引用:日本整形外科学会
画像引用:札幌スポーツクリニック
画像引用:ザムスト
画像引用:FZONE SPORTS

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