そこそこの大きさの駅前には必ずある
- 足ツボマッサージ
- リフレクソロジー
足ツボマッサージは痛い! リフレクソロジーは気持ちいい! そんなイメージのかたもいるかもしれません。
私もベトナムやタイへ旅行に行ったときに体験したり、鍼灸師の友人の練習台になったりと何度か経験しています。
鍼灸治療とは違う理論があり、足ツボの効果については賛否両論あります。足ツボはアメリカ発祥だと知っていましたか?
足ツボの理論だけ読むと、効果があるのはわかります。しかし、疑問もあります。今回は、足ツボを解剖学など別の視点から、足ツボの効果について説明します。
足ツボは効果があります! ただし……
足ツボの図(反射区)をみると、つま先からかかとまで全身の臓器やパーツが反映されているのがわかります。
- つま先側が頭や目などの上半身
- かかと側が下半身
- 左足だけに心臓やすい臓
- 右足だけに肝臓や胆のう
この反射区を指や専用の棒で刺激することで血流がよくなったり、緊張がとれたりします。それにより足ツボの効果はあるといえるでしょう。
Wikipediaによると、リフレクソロジーはアメリカが発祥です。
ウィリアム・フィッツジェラルド医師が足を刺激すると痛みを緩和するということがわかり「ゾーンセラピー」という書籍を発表しました。
その後、理学療法士ユーニス・イングハム氏が内蔵反射区が記載されているフットチャートを作成しました。
私も学んだ「若石式(じゃくせき)」、台湾式とも呼ばれるやりかたはスイス人宣教師ジョセフ・オイグスターが台湾で施術したのがはじまりでした。
ただし、足の反射区は科学的に決められたものではなさそうです。脳の場合、電気刺激によって運動野や体性感覚野と体部位の対応関係が証明されています。
まぁ東洋医学でいう「ツボ」も科学的に証明されているのは一部だけですが……。
足ツボの反射区表は、流派や団体によってポイントが違います。理由としては、それぞれのグループや個人によって積み上げた経験則からできているからでしょう。
結論
足ツボの施術は効果があります。しかし、歴史背景を考えると、科学的に決められた反射区というより、経験によって作られた施術です。
足ツボの効果を解剖学から考えると
人は二本足で歩きますよね。足裏への刺激が歩行やバランスをよくして、全身への影響があると考えられます。
その足は、どこからが足かわかりますか? 「足あげて!」というと、太もものつけ根(股関節)から動かすと思います。しかし、解剖学的には
- 太もものつけ根=脚
- 足首から下=足
明確な違いがあります。
さらに歩くことに関してですが、人のように足の裏を使って歩くことを蹠行(せきこう)といいます。使えば疲れが貯まるのは当然です。だから足裏マッサージは、蹠行する人間には日々溜まる疲れ解消にはもってこいです。
たいていの動物の足で足首を膝と誤解されることはよくあるけど、
人間の足を他の動物の足の骨ベースにしてみたら、どうなるか描いてみました。 pic.twitter.com/LLZ7bhaHo4— 川崎悟司 (@satoshikawasaki) 2018年7月14日
ちなみに、
- 猫や犬は、指で歩く趾行(しこう)
- 馬や牛は、つめで歩く蹄行(ていこう)
足のクッション(バネ)を修復してくれる
足は、26個の骨でできています。そして、骨が絶妙な関係性によって、土踏まずなどのアーチを作っています。
このアーチがバネの働き、クッションになっています。アーチがないと衝撃をうけて、膝や腰を痛める原因になってしまいます。
結論
リフレクソロジーをすることで、足裏や足甲を刺激して足の立体構造を修復してくれるでしょう。
足の裏は脂肪がたくさん
皮膚は、表皮(ひょうひ)・真皮(しんぴ)・皮下組織の3層になっています。
- 表皮:一番表面(ターンオーバーにより、最後はアカになる)
- 真皮:血管や神経、リンパが存在
- 皮下組織:脂肪組織
この脂肪組織があるおかげで、脂肪パットとして熱の遮断や衝撃吸収をしてくれます。足の疲れや、体のバランスの悪さがあると脂肪パットも酷使されてるでしょう。
結論
足の反射区やふくらはぎなどを施術することによって、足の皮膚もキレイになり、正常に機能するでしょう。
人はバランスをとるために足を使っている
※赤枠が支持区域内
人はバランスをとるために筋肉を使って支持区域内に重心をおきます。
疲れが貯まった足だと、機能低下によってバランスが取りづらくなります。そうなるとほかの筋肉を使うことになり全身の疲れや、筋緊張により自律神経も乱れることが考えられます。
結論
足ツボを刺激することによって、バランスが整い筋疲労や自律神経も整うでしょう。
※自律神経とは、交感神経、副交感神経のことで交感神経が優位になると興奮状態になり、不眠・食欲不振・イライラ状態になります。
逆に副交感神経優位だとリラックス状態です。
足ツボを筋肉から考えると
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋:ひふくきん、ヒラメ筋)は、アキレス腱になって踵(かかと)の骨につきます。
ふくらはぎに疲れや異常があると、踵に痛みが出てきます。
結論
足ツボで足裏やふくらはぎの施術をすると第2の心臓と呼ばれるふくらはぎが元気になり、血流や冷え性の改善に役立ちます。
しかし、解剖学だけを根拠に考えると、内臓への直接的なアプローチは考えにくいと思われます。
足ツボの効果を東洋医学から考えると
東洋医学に「経絡」(けいらく)というものがあります。経絡の考えをもちいると、足ツボに効果があるとわかります。
※経絡とは、全身につながるルートです。ルート上にあるのが経穴(けいけつ)という一般的に「ツボ」とよばれるものです。経絡は全部で12本あります。
足裏に関係するものが、
足太陽膀胱経
足少陰腎経
は、直接踵につながっています。
足の甲に関係するものが、
足少陽胆経
足陽明胃経
足の内くるぶしに関係するものが、
足厥陰肝経
足太陰脾経
結論
経絡の考えからだと、全身の臓器やパーツに効果があると理解できます。
しかし、東洋医学もハッキリと根拠がわかっているものばかりではありません。さらに東洋医学のツボと足ツボの反射区は別ものなので、ツボでよくなったのか、反射区でよくなったのか判断がつきません。
次は、「足ツボの効果をトリガーポイントから考えると」を紹介します。