鍼治療効果が出るまでの期間!2つの学術発表も参考に解説

治療の効果が出るのは、個人差がどうしてもあります。

お悩みの症状の軽重や、患者さんの筋肉の質や運動習慣によって違うのが理由です。

ほとんどが鍼治療後になにかしらの変化を実感しますが、鍼灸師の技量の差が大きいのも事実。

そこで今回は、鍼治療の効果に関するふたつの研究発表や個人の意見もまじえて、鍼治療の効果が出るまでの期間に対する疑問にお答えします。

鍼治療の効果が出るまでの期間は

平均的な鍼灸師の技術の場合
治療期間は1週間に一度の来院なら、慢性化した症状や手術の提案をされた重い症状でも、3ヶ月あれば改善できるでしょう。

しかし、構造的な変化(半月板がない・圧迫骨折している・関節の石灰化)や、生活環境や筋肉の状態によって変わってきます。
※東洋医学的にいうと、”気”の充実度や”血”の状態によって変化。

痛みの感じかたは個人差が大きいので、当院の場合、動きの検査によって鍼治療の効果測定をしています。

あきらかに動きがよくなり効果が出ている症状でも、術者と痛みの記憶が残っている患者さんとでは、鍼治療の効果に対する実感が違ってくるからです。

だから、痛みではなく客観的にわかる可動域によって共通認識が持てるように施術しています。

 

学術研究では、鍼治療の効果が出るまでの期間をどう発表しているか?

  • 膝蓋腱炎(ジャ ンパー膝)の良導絡電気鍼治療と追跡調査
  • 月経痛に対する鍼治療の効果ー円皮鍼を用いた検討ー

というふたつの研究発表をみてみましょう。

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の良導絡電気鍼治療と追跡調査

膝の整形外科的な疾患に対してです。

結果

膝蓋腱炎患者58例(66膝)に対して、痛みが完壁に消え、以前の運動レベルまで回復した例は43人(74.1%)と発表。

鍼治療の効果が出るまでの治療期間や回数

  • 35人(66%):1~10回の治療
  • 20人(34%):11~20回の治療
  • 3人(5%): 20回以上の治療

平均の治療期間は73.1ヶ月(3~168ヶ月)

治療に有効な回数:週3~5回 、2~5週の期間で治療効果があらわれると発表しています。

内訳

  • 男性40人 女性18人
  • 平均年齢:26歳(17~50歳)
  • 痛みが出て以来整形外科の専門医にかかっている期間:平均14ヶ月(1~84ヶ月)

出典:膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の良導絡電気鍼治療 と追跡調査

個人的な感想としては、膝蓋腱炎の治療で”週3~5回 、2~5週の期間”はかなり長い印象です。

35人(66%):1~10回の治療をピックアップすれば、週1回治療✕10回=2ヶ月+2週間

だいたい3ヶ月と考えてよさそうですね。

 

月経痛に対する鍼治療の効果ー円皮鍼を用いた検討ー

月経痛に対する三陰交穴への円皮鍼治療の効果を検討

  • ※円皮鍼とは、小さい鍼のついたシールタイプの鍼です。
  • ※三陰交穴とは、足首の内側にあるツボ

結果

月経痛に対する鍼治療の効果ー円皮鍼を用いた検討ー

  • 軽減した:13名(48%)
  • 不変であった:10名(37%)
  • 増悪した:4名(15%)

※治療期間の月経痛を無治療期間(a)の月経痛と相対的に比較

鍼治療の効果が出るまでの治療期間や回数

治療期間に両側の三陰交穴へ4日間連続して円皮鍼(セイリン社製円皮鍼パイオネックス: 0.9mm)を貼付し、その後3日間連続して休止する治療を各週に継続。

円皮鍼(パイオネックス)は、小さい鍼のついたシールタイプの鍼なので、貼ったまま日常生活をすごせます。

治療4日間休止3日間✕3ヶ月=治療期間48日間

研究期間は9ヶ月間
無治療期間(a)、治療期間、無治療期間(b)の各々3ヶ月間を設定

内訳

対象被験者数:27名

※研究開始時は51名であったが、無治療期間 (a)に1名、治療期間、無治療期間(b)では各々 2名の計5名が脱落した。脱落の主な理由は、体調不良1名、体調悪化2名、無月経1名、性感染症1名であった。さらに基礎体温表の未提出や未記入などにより、研究終了時には19名を除外

生理痛(月経痛)に小さな鍼を貼るだけで辛さが48%軽減しています。当院の患者さんでも生理痛がはじまる前に来院して治療すると、1回で快適にすごさせるかたが多いです。薬に頼りたくない女性に好評です。

引用:月経痛に対する鍼治療の効果ー円皮鍼を用いた検討ー

 

「症状別」鍼治療の効果が出るまで

あくまでも個人の感想になってしまいますが、

鎮痛作用なら鍼治療の効果をその場で実感できます。

痛風での激痛や、腎臓などの結石、膝の使いすぎによる炎症性の痛み、寝違えなど、鎮痛の効果はすぐ出ると実感ずみ。
ただし、あくまで鎮痛なので3~8時間くらいで痛みが出てくる症状もあり。

生理痛など内科的治療も気血のめぐりがよくなれば、鍼治療の効果が出るまでの期間は当日~2日後に実感します。
筋肉の量や生活習慣の改善も必要なので定期的な治療は必要です。
体のバランス(アライメント)が崩れた症状の場合、バランスが整えば、鍼治療の効果が出るまでの期間は当日~2日後。
ただし、体を支える筋肉が機能低下している場合、トレーニング指導は必須になります。
寝違えやぎっくり腰は、バランスの崩れ+筋肉の損傷での痛みが多いので、当時または翌日など2回の鍼治療で効果が出るでしょう。
損傷した筋肉の違和感は残る場合がありますが、日常生活には問題ないレベルになります。

 

鍼治療効果が出やすい人の違い

鍼治療の効果が出やすい人 鍼治療の効果が出にくい人
肉体年齢(筋肉が多い柔軟性がある)が若い 肉体年齢が(筋肉がない、体が硬い)老いている
適度に運動している 運動しない歩かない
深部体温が高い 深部体温が低い
タバコを吸わない タバコを吸う
構造的な損傷(半月板、靭帯、骨)がない 構造的な損傷や骨折や手術の経験がある
ポジティブ思考 ネガティブ思考

 

最短期間で鍼治療の効果が出る方法

鍼治療の効果を最短期間で出すには、通院期間を短くするのは当然でしょう。そうすることで、日常生活での疲れや不良姿勢による体のゆがみなど、余計な痛みの原因が除去できている状態で、次の鍼治療が可能になります。

当院は通常の慢性化した腰痛などは、1週間に一度で指導することが多いです。急性痛なら翌日か2日後など。

最短期間での治癒には、通院期間よりもっと大切なものがあります。適切なセルフケアや養生ができるかどうか。

鍼灸師は、24時間あなたの生活をみることはできません。たとえば、腰痛の原因が長時間のデスクワークなら、こまめな休憩を挟んでもらったり、労働時間を減らしたりしないと鍼治療の効果が出るのが遅くなるでしょう。

自分の体の声を聞いて適切に対応できれば痛みは出ないでしょう。体からの声を無視し続けると痛みとして辛い日々になってしまいます。

 

鍼治療効果が出るまでのまとめ

私個人の治療としては、鍼治療効果が出るまで2日後をピークと伝えています。整体を同時進行で併用しているので、体のゆがみを取り、初日は外からのバランスを整える効果。2日目は鍼治療による気血の流れが整う効果と考えています。

鍼治療は顕微鏡レベルでみたら、体に金属を差し込む治療です。
  • どれだけベテラン整体師が治療しても治らない症状でも、鍼灸学生が治すことも実際にあるでしょう。
  • 逆に鍼灸師が腰にたくさん鍼を打っても治らない症状でも、バランスを整える整体師なら治すことも実際にあるでしょう。

”鍼治療だけ””整体治療だけ”と区切るのではなく、両方の視点から治療すると相乗効果も高く、治療効果が出るのも早くなりますよ。

15年以上、鍼治療を続けてきたから断言できます。

ぜひあなたにあった治療方法を見つけてくださいね。

 

出典:膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の良導絡電気鍼治療 と追跡調査
引用:月経痛に対する鍼治療の効果ー円皮鍼を用いた検討ー

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