過敏性腸症候群で荻窪まで鍼灸治療を受けにきた方の感想

women  hidarizutuumiminarikabinseityou

左頭痛と耳なりがあり、胃腸も弱くて御医者さんから過敏性腸症候群と言われておりました。これに伴い首や肩もこる状態でした。 80代・女性

御陰様で、家事も出来るし、食事も大分頂ける様になり、二週間に一度の治療ですがここまでよくして頂き感謝しております。頭痛や耳なりも快くなり毎日元気で生活出来ております。

※得られる結果には個人差があります

院長より

かなり細身で、気苦労は多い感じのおばあさまです。

中医学的な診断だと、

脈:弦

舌:暗紅、裂紋、白苔、一部剥離

症状と一致しております。

鍼灸にて、施術

委中・大椎・肝兪・脾兪・腎兪・左大腸兪・右陽陵泉・右太谿

2診後から、腸の状態も落ち着いてきました。

4診後から、体重は増えないが元気になってきました。との事。継続で治療を行っています。

過敏性腸症候群でお悩みなら

杉並荻窪あんさんぶる整体鍼灸院(鍼灸整体)

 


men  過敏性腸炎で通勤時に腹痛で軟便になっていた。

30代男性
過敏性腸炎で通勤時に腹痛で軟便になっていた。
腹痛を我慢できる期間が長くなっていき、便を固める力が強くなって回復に向かった。
薬はいっぱいありますが、あんさんぶる鍼灸院で個人に合った治療をすればとてもよくなると思います。

※得られる結果には個人差があります


1. 現代医学的な過敏性腸症候群の考え方

便通異常とは,一般に便秘,下痢および交替性便通異常に分けられる.
便秘とは,糞便の腸管内の異常な停滞あるいは腸管内通過時間の異常な延長である.
下痢とは,糞便内の水分量が多くなり糞便が本来の固形状の形を失って,水様ないし粥状となった状態である.
交替性便通異常とは,便秘と下痢が交互にたびたび反復するものである.

A・過敏性腸症候群で注意を要するもの

〔症状〕
①頑固な腹痛および便秘,腹鳴,グル音増強,蠕動不安,腹部膨満がみられる場合
(慢性の腸狭窄など)
②血便,体重減少,全身倦怠感などがみられる場合(腫傷など)
③急性の下痢に発熱,嘔吐,心窩部痛,脱水症,ショョック症状などがみられる場
合(細菌性赤痢,食中毒など)
④血性下痢,発熱,体重減少,粘液便,粘血便などがみられる場合(潰傷性大腸炎,クローン病など)

B・過敏性腸症候群の適応となるもの

機能的なものを原因とする場合や情緒的ストレスなどによるものが適応となる.神経性腸疾患や内臓弛緩下垂症による便秘,習慣性(常習)便秘および単純性下痢,心因性下痢,過敏性大腸症候群の便秘・下痢などが鍼灸治療の対象となる.

A)習慣性便秘

〔概念〕
大腸の運動機能や排便反射の低下により便秘となる.
〔症状〕
腹痛はないかまたは軽度で,便意が起こりにくい.便は太い.便秘は長期間にわたり持続.下痢を伴う傾向はない.精神的ストレスとの関係は少ない.
〔所見〕
腹壁の緊張が低下していることが多い.

B)過敏性大腸症候群

〔概念〕
主として腸管の運動機能の冗進に基づく便通異常と腹部症状を訴える疾患.
〔症状〕
便秘,下痢,便秘下痢交替が持続する.腹痛や腹部膨満感などの症状が伴う.便秘のときは,兎糞状の便となる.症状が精神的ストレスと関係して起こりやすく,頭痛,全身倦怠感など全身の種々の症状を伴うことが多い.
〔所見〕
大腸にそって圧痛を認めることが多い.(左下腹部の圧痛を認めることが多い)腹部,背部に筋緊張や硬結,圧痛などがみられる.

過敏性腸症候群の治療方針

腸の機能を調整する目的で,下腹部,腰背部の筋緊張や硬結,圧痛などの反応点に施鍼,施灸する.
〔処方例〕
腹部:左腹結,天枢
背部:三焦兪,大腸兪
そのほか臍の塩灸などがよく用いられている

2. 東洋医学的な過敏性腸症候群の考え方

便秘とは,大便秘結,排便時間の延長,または便意はあるが排便困難であるなどの状態をいう.急慢性疾患の1症状として現れるものや,習慣性の便秘として単純に現れるものがある.

また下痢とは,泥状あるいは水様の便で,排便の回数が多い,排便時にテネスムスを伴わないものをいう.東洋医学では下痢のことを「泄瀉」という.大便が稀薄で,出たり止まったりするものを「泄」といい,水が注ぐように一直線に下るものを「瀉」という.

1 . 便 秘

A ・ 分 類

①胃腸の熱による便秘

辛い食べ物を偏食すると津液を損傷しやすく,そのために胃腸が燥熱の状態になると,このタイプの便秘が起こる.また陽盛体質の者も胃腸に熱がこもりやすく,このタイプの便秘が起こりやすい.熱病により津液を損傷した場合も,便秘が起こる.(熱秘)

②肝鬱による便秘

情志の失調により気機が悪くなり,そのために腸の伝導機能が悪くなると,このタイプの便秘が起こる.また長期にわたって座っている時間が長く,あまり動かないと同様に気の動きが悪くなり,このタイプの便秘が起こる.(気秘)

③気虚,血虚による便秘

病後または産後で気血が回復しないと,気虚のために伝導無力となり,また血虚のために腸が潤いを失い,このタイプの便秘が起こる.老化により気血が不足した場合も,このタイプの便秘が起こりやすい.(虚秘)

④腎陽虚による便秘

虚弱な者や老人で下焦の陽気が虚すと温煦機能が低下し,そのために陰寒が凝結すると排便困難となる.(冷秘)

東洋医学的な鑑別

まず虚実の鑑別を行なう.①②は実証であり,③④は虚証である.虚実の鑑別は主として随伴症状を参考にし,さらに舌脈所見に基づいて鑑別することができる.また年齢にもよるが,一般的には実証のものは経過が短く,虚証のものは経過が長く反復しやすい.次に寒熱の鑑別を行なう.熱秘は煩熱,口渇,顔面紅潮,口臭,小便黄などの熱象を伴い,冷秘は寒がり,四肢の冷え,顔色蒼白,小便清などの寒象を伴う.さらに舌脈所見を参考にするとよい.

C,主な病証

A)虚証例<気虚,血虚による便秘>

〔病態〕
肺は気を主っており,脾は運化を主っている.肺脾気虚になり,そのために大腸の伝導機能が低下すると,便意はあるが排便困難となる.このタイプではさらに肺気虚による汗,息切れなどの症状や,脾気虚による無力感,めまいなどの症状を伴いやすい.
また産後や出血により血が不足したり津液が不足し,そのために大腸が潤いを失うと便秘が起こる.このタイプではさらに血虚による心悸,めまい,顔色につやがないなどの症状を伴いやすい.
〔症状・所見〕
① 主 要 症 状
a・気虚……便意はあるが排便困難,大便は硬または軟
b・血虚……長期間の便秘,排便困難,便は硬く兎糞状
② 舌 脈 所 見
a・気虚……舌質淡,舌苔薄,脈虚
b・血虚……舌質淡,脈細
③ 随 伴 症 状
a・気虚……排便時に汗が出て息切れする,顔色が白い,倦怠感,脱虹
b・血虚……顔色につやがない,心悸,めまい,唇や爪甲の血色が淡白

東洋医学的な治療方針

脾胃の機能を向上させ,気血の回復をはかる.主として足陽明,足太陰経穴を取穴し,さらに必要な背兪穴を取穴する.鍼にて補法を施す。または灸を併用する.
〔処方例〕
脾兪,大腸兪,三陰交,天枢,上巨虚
B)実証例〈胃腸の熱による便秘>
〔病態〕
食生活や体質などの原因により胃腸に熱がこもり,大腸の津液を損傷すると便秘が起こる.この場合は裏熱による口渇や口臭を伴いやすい.また熱の炎上性により顔面の紅潮,心煩が起こりやすい.
〔症状・所見〕
①主要症状……大便秘結,排便困難
②舌脈所見……舌質紅,舌苔は黄色で乾いている,脈滑実
③随伴症状……腹部膨満(拒按),顔面紅潮,身熱,口臭,心煩,口渇
〔治療方針〕
胃腸の情熱をはかる.主として手足陽明経穴を取穴し,鍼にて瀉法を施す.
〔処方例〕
合谷,曲池,内庭,天枢,上巨虚

東洋医学的な下痢の考え

A ・ 分 類

①外邪による下痢

下痢を起こす外邪としては寒,湿,暑,熱があるが,湿邪によるものが多い.湿邪が影響すると脾に最も影響が及びやすく,脾気が抑止されて運化機能が失調すると下痢が起こる.湿に寒がからむと寒湿による下痢となり,湿に,熱がからむと湿熱による下痢となる.

②傷食による下痢

暴飲暴食や油っこいもの,生もの,冷たいものを食べすぎたり,不衛生なものを食べると脾胃を損傷し,そのために腸の伝導機能や脾胃の昇降機能が失調すると下痢が起こる.

③肝鬱による下痢

平素から脾胃の虚している者が,精神的緊張や情緒の変化により肝鬱となりそれが脾に影響すると,運化機能が失調して下痢が起こる.

④脾胃虚弱による下痢

傷食,労倦または久病により脾胃の機能が衰えると,水穀の受納と精微の運化が悪くなる.そのために清濁の分別がうまくいかなくなると下痢が起こる.

⑤腎陽虚による下痢

久病または老化により腎気,腎陽が虚して,脾陽をうまく温照できなくなると,運化機能力低下して下痢が起こる.

 

東洋医学的な下痢の鑑別

まず虚実の鑑別を行なう.外邪や傷食によるものは実証が多く,急に発病し,経過が短い.また下痢の前に腹痛を伴いやすく,下痢すると腹痛は軽減するという特徴がある.

このうち大便が水様のものは寒証である.また便が黄色くて臭いが強く,便意が急迫し虹門に熱感があるものは熱証である.食滞によるものは,腐臭を伴う.臓脈の機能失調により起こる下痢は,経過が長く,発病は緩慢であり,それぞれ関連する臓腑の随伴症状を伴い,虚証のものが多い.ただし肝鬱による下痢は実証である.

C・主な病証

A)虚証例〈腎陽虚による下痢〉

〔病態〕
腎陽が衰退して脾陽を助けることができないと運化機能が低下する.夜明けどきには陽気はまだ弱く陰寒が強いので,この時刻に腹痛が起こり下痢するという特徴がある.このタイプには腎虚と陽虚による随伴症状を伴う.

 

〔症状・所見〕

①主要症状…・・・五更泄瀉(夜明け頃に腹痛,腹鳴が起こり下痢する)
②舌脈所見……舌質淡,舌苔白,脈沈細,尺脈が特に弱い
③随伴症状……腰部や腹部の冷え,四肢の冷え,腰膝がだるく力が入らない

東洋医学的な治療方針

腎の温照機能を改善し,脾の機能の向上をはかる.主として脾・腎の背兪穴,足陽明経穴を取穴し,鍼にて補法を施す.または灸を施す.

〔処方例〕
中院,天枢,脾兪,腎兪,命門

B)実証例く湿熱による下痢>

〔病態〕
外邪や辛いものの偏食,飲酒などにより湿熱が腸にこもると,その伝導機能が失調する.湿熱の熱が強いほど下痢の急迫は強くなる.ただし湿邪の粘滞性により排便はスッキリしないという特徴がある.また湿熱が下注するために,肛門の灼熱感,便の臭いが強いなどの症状を伴う.

〔症状・所見〕
①主要症状……急迫した下痢,腹痛と下痢が交互に起こる,あるいはスッキリ排便しない,悪臭を伴う
②舌脈所見・…・・舌苔黄膩,脈濡数
③随伴症状・…・・肛門の灼熱感,煩熱,口渇,小便の量が少ない,または身熱を伴う
〔治療方針〕
湿熱の除去をはかり,胃腸の機能回復を促す.主として手足陽明経穴を取穴し,鍼にて瀉法を施す.

東洋医学的な鍼灸治療例

天枢,合谷,陰陵泉,上巨虚,下巨虚